「9月から、もっと勉強させたほうがいいのかな?」と悩んでいませんか?
夏休みが終わり、9月に入ると、受験生の親御さんからこんな相談が増えてきます。
「夏休みはかなり勉強しました。でも、9月からはさらに勉強時間を増やしたほうがいいのでしょうか?」
「6年生なのに、家庭学習が1日2時間くらいで大丈夫でしょうか?」
「周りの子はもっと勉強しているようで、焦っています……」
この時期になると、どうしても**「何時間勉強したか」**が気になってしまいます。
しかし、28年間中学受験の指導をしてきた私が、9月の受験生にまず伝えたいのは、
「勉強時間を増やせば、それだけ成績が上がるわけではありません」
ということです。
もちろん、ある程度の学習時間は必要です。
ただし、9月以降は特に、
「何時間勉強したか」よりも「その時間で何をできるようになったか」
が重要になります。
この記事では、6年生の9月の勉強時間について考えながら、
- どのくらい家庭学習をすればいいのか
- 9月に何を優先して勉強すればいいのか
- 勉強時間を増やすべきケース
- 親はどこを見ればいいのか
について、28年間の指導経験をもとに解説します。
9月の中学受験生は何時間くらい勉強する?
まず、一番気になる「何時間勉強すればいいのか」という問題から考えてみましょう。
結論から言うと、全員に当てはまる正解の勉強時間はありません。
同じ6年生でも、
- 塾がある日
- 塾がない日
- 土曜日・日曜日
- 夏休み前からの学習状況
- 現在の偏差値
- 志望校
- 苦手科目
- 家庭学習の効率
などによって、必要な時間は変わってきます。
そのため、
「6年生の9月なら、絶対に毎日○時間」
と考えすぎないほうがいいでしょう。
大切なのは「家庭学習の時間」です
ここで注意したいのが、塾の授業時間と家庭学習時間を混同しないことです。
例えば、塾で長時間授業を受けた日に、家庭でも長時間勉強するとなると、子どもによっては疲れ切ってしまいます。
逆に、塾のない日に家庭学習がほとんどできていないのであれば、見直しが必要かもしれません。
ですから、まずは、
「塾以外で、実際にどれくらい勉強できているのか」
を確認してみましょう。
そして、その時間の中で何をしているのかを見ることが大切です。
「勉強時間を増やせば成績が上がる」とは限りません
ここは、9月の受験勉強で特に注意してほしいところです。
例えば、ある子が毎日3時間勉強しているとします。
一見すると、十分頑張っているように見えます。
しかし、その3時間の中身を見てみると、
- 分かっている問題を繰り返している
- 間違えた問題の直しをしていない
- 苦手単元を後回しにしている
- 解説を読んで「分かったつもり」になっている
- 途中で集中が切れている
ということがあります。
これでは、単純に4時間、5時間と勉強時間を増やしても、期待したほど成績につながらないことがあります。
反対に、2時間でも、
「模試で間違えた問題を解き直す」
「苦手な単元を重点的に復習する」
「できなかった問題を、何も見ずにもう一度解く」
という勉強ができていれば、非常に意味のある時間になります。
だから私は、9月の保護者の方には、
「何時間勉強した?」だけではなく、「今日は何ができるようになった?」を見てください。
とお伝えしたいのです。
9月に優先したい勉強はこの4つ
では、限られた時間を何に使えばいいのでしょうか。
9月の家庭学習では、特に次の4つを意識してください。

① 夏休みに勉強した内容を定着させる
夏休みにたくさん勉強したからといって、それだけで全部身についたわけではありません。
夏期講習で扱った問題を見返して、
「これは今でも一人で解ける」
「これはまだ怪しい」
「これはもう一度やり直したほうがいい」
と確認してみましょう。
夏休み明けに成績が思うように伸びなかった場合も、すぐに「夏休みの勉強が無駄だった」と考える必要はありません。
夏に身につけた知識や解法が、実際の得点につながるまでには時間がかかることがあります。
以前の記事でも詳しく解説していますので、こちらも参考にしてください。
【中学受験】夏休み明けに成績が伸びないのはなぜ?9月に親がやるべきこと
② 模試の間違い直しをする
9月以降は模試を受ける機会も増えてきます。
そこで重要になるのが、模試を受けっぱなしにしないことです。
間違えた問題を、
- 知識不足だったのか
- 解き方が分からなかったのか
- 計算ミスだったのか
- 問題文を読み間違えたのか
- 時間が足りなかったのか
というように確認します。
「80点だった」
「偏差値が60だった」
という数字だけを見るのではなく、
「あと何点取れた可能性があったのか」
を見ることが大切です。
【中学受験】秋の模試で偏差値急降下…合格判定30%から逆転する「正しい見直し術」
③ 苦手単元を一つずつ克服する
9月になると、
「算数も国語も理科も社会も全部やらなきゃ!」
と焦ってしまうことがあります。
しかし、すべてを一度に完璧にしようとすると、かえって効率が悪くなります。
例えば、
「算数の速さが苦手」
「国語の記述で点が取れない」
など、今一番改善する必要があるところを絞りましょう。
一つの弱点を具体的に改善することが、次の模試の得点につながります。
④ 秋以降の過去問に備える
6年生の秋は、過去問への取り組みも重要になってきます。
ただし、いきなり難しい過去問ばかりを解けばいいわけではありません。
基礎・基本の確認をしながら、
「志望校の問題にはどんな特徴があるのか」
「どの分野がよく出るのか」
なども少しずつ意識していきます。
過去問を解いた後の直しについては、こちらの記事も参考にしてください。
中学受験|過去問で点数が届かない時に親が知るべき「逆転のコツ」
成績が伸びる子と伸びにくい子の「勉強時間」の違い
私が28年間、中学受験の指導をしてきて感じるのは、同じ2時間でも、その中身によって大きな差が出るということです。
例えば、
「今日は2時間勉強する」
という目標だけでは、何をすればいいのかが曖昧です。
一方、
「今日は算数の間違えた問題を3問、自力で解けるようにする」
という目標なら、やるべきことが明確です。
さらに、
「昨日間違えた問題をもう一度解いて、全部正解できたら次へ進む」
とすれば、勉強の目的もはっきりします。
この違いは、秋以降になるほど大きくなります。
「時間を埋める勉強」になっていないか
親御さんが、
「今日は3時間勉強した?」
と毎日確認していると、子どもがいつの間にか、
「3時間机に座ること」
を目標にしてしまうことがあります。
しかし、本当に必要なのは、
「3時間座ること」ではなく、「3時間で何をできるようになったか」
です。
ここは、ぜひ一度ご家庭でも確認してみてください。
9月の家庭学習で親がやるべきこと

では、親御さんは何をすればいいのでしょうか。
「何時間やった?」だけを聞かない
毎日、
「今日は何時間勉強したの?」
と聞くより、
「今日は何ができるようになった?」
と聞いてみてください。
子ども自身が、
「昨日できなかった問題ができるようになった」
「計算ミスが減った」
などと言えるなら、非常に良い状態です。
勉強時間を増やす前に、今の時間の使い方を見る
成績が下がったからといって、
「じゃあ明日から1時間増やそう」
とするのは少し待ってください。
まず、
今の勉強時間で何をしているのか
を確認しましょう。
そのうえで、
「どうしても時間が足りない」
ということなら、初めて時間を増やすことを考えます。
睡眠時間を削らない
秋になると、受験への焦りから夜遅くまで勉強させたくなることがあります。
しかし、睡眠時間を削ってまで勉強時間を増やすのはおすすめできません。
翌日の集中力が落ちれば、せっかく増やした勉強時間の効率も悪くなります。
「勉強時間を増やすために睡眠時間を削る」
という順番にはしないようにしましょう。
9月から勉強時間を見直すなら、この順番で考えましょう
「今の勉強時間で大丈夫なのかな?」
と迷ったら、次の順番で確認してみてください。
STEP1 現在の勉強時間を確認する
まず、塾以外でどれくらい家庭学習をしているのかを確認します。
STEP2 その時間に何をしているか確認する
「算数を1時間」ではなく、
「計算20分、苦手単元30分、間違い直し10分」
など、もう少し具体的に見てみましょう。
STEP3 できるようになったことを確認する
勉強した結果、
「前はできなかったけれど、今はできる」
というものがあるか確認します。
STEP4 できていないことを確認する
反対に、
「何度やっても同じところで間違える」
「宿題はできるけれど、模試では解けない」
などの問題があれば、そこを見直します。
STEP5 それでも時間が足りなければ調整する
ここまで確認して、
「やるべきことが明確なのに、どうしても時間が足りない」
のであれば、勉強時間を少し増やすことを考えます。
この順番なら、ただ闇雲に勉強時間を増やすことを防げます。
9月は「勉強時間」より「勉強の質」を見直す時期
9月になると、受験本番までの時間が少しずつ短くなっていきます。
だからこそ、親御さんは焦ってしまいます。
「もっと勉強させないと」
「周りはもっとやっているのでは?」
と考えてしまうのも当然です。
しかし、ここで一度立ち止まってください。
大切なのは、
「何時間勉強したか」ではありません。
その時間を使って、
「何ができるようになったか」
です。
もちろん、学習時間が明らかに不足している場合は、時間を増やす必要があります。
ただし、
時間を増やすことは最初の対策ではありません。
まず今の時間の使い方を確認する。
そして、できていないことを明確にする。
そのうえで必要なら時間を調整する。
この順番で考えてみてください。
まとめ|9月は「何時間」より「何をできるようにするか」
中学受験6年生の9月は、夏休みが終わり、秋の模試や過去問など、これからの受験勉強を意識し始める大切な時期です。
だからといって、
「9月から、とにかく勉強時間を増やせばいい」
というわけではありません。
大切なのは、
- 今の家庭学習時間を確認する
- その時間で何をしているのかを見る
- 何ができるようになったのかを確認する
- できていない部分を見つける
- 必要なら勉強時間を調整する
という順番です。
特に6年生の秋は、勉強時間を競うより、限られた時間を効果的に使うことを意識してください。
28年間、中学受験の指導をしてきた私が、この時期に親御さんに一番お伝えしたいのは、
「何時間勉強した?」ではなく、「今日は何ができるようになった?」と聞いてあげてください。
ということです。
夏休みに頑張ったことを土台にして、9月から一つずつ弱点をつぶしていきましょう。
秋の過ごし方は、これからの成績にも大きく関わってきます。
焦って勉強時間だけを増やすのではなく、「何をできるようにするのか」を親子で確認しながら進めていきましょう。

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