「夏休みにあれだけ勉強したのに、9月の模試で成績が下がってしまった……」
「偏差値が下がって、志望校に合格できるのか不安になってきた」
中学受験を目指しているご家庭では、9月の模試の結果を見て、このように感じることがあると思います。
特に、夏休みに毎日頑張って勉強してきたお子さんほど、思ったような結果が出なかったとき、親御さんのショックも大きくなります。
しかし、9月の模試の結果だけを見て、「学力が下がった」「志望校は無理だ」と判断するのはまだ早いです。
私は28年間、中学受験の指導に携わってきましたが、秋の模試の結果を見て焦ってしまい、その後の勉強の方向を誤ってしまうご家庭を何度も見てきました。
大切なのは、偏差値の数字だけを見ることではありません。
「なぜその結果になったのか」
を確認し、10月以降の勉強に生かすことです。
この記事では、9月の模試で成績が悪かったときに、親御さんがまず確認してほしい5つのポイントと、秋以降の学習につなげる方法を解説します。
9月の模試で成績が悪くても、まず焦らない
まず覚えておいてほしいのは、
9月の模試で成績が悪かったからといって、それだけで合格可能性がなくなったわけではない
ということです。
9月は、夏休みが終わり、通常の塾生活に戻ったばかりの時期です。
また、受験生全体の学習量も増えてくるため、夏休み前には見えていなかった差が、模試の結果として表れることもあります。
そのため、
「夏休みに頑張ったのに、偏差値が上がらなかった」
ということも珍しくありません。
ここで親御さんが、
「もっと勉強しないとダメ!」
「このままでは合格できないよ!」
と焦ってしまうと、お子さんも「自分はもうダメなんだ」と感じてしまうことがあります。
9月の模試は、合否を決めるためだけのテストではありません。
秋から何を優先して勉強すればよいのかを確認するための材料として使いましょう。
9月の模試で確認したい5つのポイント

では、模試の結果が返ってきたら、具体的に何を見ればよいのでしょうか。
私は、まず次の5つを確認することをおすすめします。
1.偏差値だけを見ていないか
最初に確認したいのは、偏差値だけで結果を判断していないかということです。
例えば、前回より偏差値が5下がったとします。
親としては、
「5も下がった!」
と考えてしまいますよね。
しかし、それだけでは原因は分かりません。
大切なのは、
「どの教科で下がったのか」
「どの単元で点数を落としたのか」
「あと何点取れていれば、前回と同じくらいの偏差値だったのか」
を見ることです。
偏差値という一つの数字だけを見るのではなく、答案全体を見て原因を探すことが重要です。
2.どの問題を間違えているか
次に、答案を見ながら、間違えた問題を確認します。
ここでは、すべての間違いを同じように扱わないことが大切です。
例えば、
「まだ習っていない内容だった」
「今の段階では難しすぎる問題だった」
というものと、
「計算ミスだった」
「問題文の読み間違いだった」
「知っている公式を使えなかった」
「以前は解けていた問題だった」
というものでは、意味が全く違います。
特に注目したいのは、本来なら取れたはずの問題を落としていないかということです。
ここを見つけるだけでも、今後の勉強で何を改善すればよいのかが見えてきます。
3.「取れたはずの問題」は何点あるか
模試の結果を見るときに、私が特におすすめしたいのが、
「あと何点取れたか」
を考えることです。
例えば、100点満点のテストで50点だったとします。
その50点だけを見て、
「全然できていない」
と判断する必要はありません。
もし間違えた問題の中に、
- 計算ミス
- 問題文の読み違い
- ケアレスミス
- 解き方は分かっていたのに途中で止めた問題
が10点分あったとしたらどうでしょうか。
その10点は、今後の取り組み方によって改善できる可能性があります。
つまり、
「50点しか取れなかった」
ではなく、
「今の実力で確実に取れる点を、10点落としていた」
と考えることができます。
この違いは非常に大きいです。
4.夏休みに勉強した内容が定着しているか
9月の模試では、夏休みに一生懸命勉強した内容がどの程度身についているかも確認しましょう。
夏休みにたくさんの問題を解いたとしても、すぐにすべてが得点につながるとは限りません。
「解いたことがある」と「自分一人で正解できる」は別だからです。
特に算数では、夏休みに解いた問題を、時間を空けてもう一度解いてみると、思った以上に解けなくなっていることがあります。
その場合は、
「夏休みの勉強が無駄だった」
のではありません。
まだ定着の途中だった
と考えればよいのです。
模試をきっかけに、夏休みに学習した内容の中から、もう一度復習すべき単元を見つけていきましょう。
【中学受験】夏休み明けに成績が伸びないのはなぜ?9月に親がやるべきこと
5.10月以降に何を優先するか
最後に一番大切なのが、
「では、これから何を勉強するのか」
を決めることです。
模試の見直しをして、
「ここがダメだった」
「これもできなかった」
と反省するだけでは、成績アップにはつながりません。
例えば、
「算数の計算ミスが多かった」
のであれば、毎日の計算練習を見直す。
「割合の問題で失点が多かった」
のであれば、割合の基本問題から確認する。
「国語の記述で点数が取れていない」
のであれば、記述答案の書き方や直し方を見直す。
このように、模試の結果を10月以降の具体的な勉強につなげることが大切です。
「偏差値が下がった=学力が下がった」ではありません
ここは、親御さんにぜひ覚えておいていただきたいポイントです。
偏差値が下がったことと、お子さんの学力そのものが下がったことは、必ずしも同じではありません。
模試では、そのときの問題との相性や、受験者全体の出来具合によって偏差値が変わります。
もちろん、何度も同じ分野で失点しているのであれば、そこには学習上の課題がある可能性があります。
しかし、1回の模試の偏差値だけを見て、
「夏休みの勉強が全部無駄だった」
「志望校を下げなければいけない」
と判断するのは避けたいところです。
私が28年間、中学受験の指導をしてきて強く感じるのは、秋の時期は、模試の数字そのものよりも、その数字をどう分析して、その後の勉強をどう変えるかが重要だということです。
【中学受験】秋の模試で偏差値急降下…合格判定30%から逆転する「正しい見直し術」
親がやってはいけない3つの対応

9月の模試の結果が悪かったとき、親御さんがやってしまいがちな対応があります。
1.「もっと勉強しなさい」と勉強時間だけを増やす
成績が悪いと、
「もっと勉強しないと!」
と考えてしまいます。
しかし、問題は勉強時間ではなく、勉強の内容や方法にあるかもしれません。
まず模試を分析してから、必要な勉強を増やすようにしましょう。
2.他の子と比較する
「○○ちゃんは偏差値が上がったのに……」
という比較も、できるだけ避けたいものです。
必要なのは、他の子との差を見ることではなく、
「今のお子さんに何が必要なのか」
を考えることです。
3.模試の結果だけで志望校をすぐに変更する
模試の判定が悪いと、すぐに志望校を下げたくなることもあるでしょう。
もちろん、今後の成績や過去問の結果などを見ながら、志望校について考えることは必要です。
ただし、9月の模試1回だけで結論を出す必要はありません。
模試、日々の学習状況、過去問など、複数の材料を見ながら判断していきましょう。
9月の模試は「秋の勉強を変えるための材料」にする
9月の模試で思ったような結果が出なかったとき、親御さんが一番やってほしいことは、
落ち込むことではなく、次の一手を決めることです。
まず、
「どこで点を落としたのか」
を確認します。
次に、
「その中で、今後取れるようになりたい問題はどれか」
を決めます。
そして、
「そのために10月以降、何を勉強するのか」
まで具体的に落とし込みます。
模試は、受験生を評価するためだけのものではありません。
これからの勉強を修正するための診断材料でもあります。
9月の結果が悪かったとしても、そこで終わりではありません。
むしろ、秋以降の勉強を立て直すきっかけにすることができます。
【中学受験】夏休み明け模試ショックを救う「4ステップ見直し」
まとめ|9月の模試の結果で焦るより、これからの勉強を変えよう
9月の模試で成績が悪かったとき、親御さんが最初にするべきことは、慌てて勉強時間を増やしたり、志望校を変更したりすることではありません。
まずは、
-
偏差値だけで判断しない
-
どの問題を間違えたのか確認する
-
「取れたはずの問題」を探す
-
夏休みに勉強した内容の定着度を確認する
-
10月以降の学習内容を決める
この5つを確認してみてください。
そして、ぜひ覚えておいてください。
9月の模試は、合格・不合格を決めるための最後のテストではありません。
これから受験本番までの勉強を、より良い方向へ修正するための材料です。
模試の結果を見て親御さんが焦る気持ちは、よく分かります。
しかし、そこで一度立ち止まり、
「この結果から、何を変えればいいのだろう?」
と考えてみてください。
その視点を持つことが、秋からの学習を立て直し、入試本番につなげていくための大切な一歩になります。

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