中学受験の6年生になると、このような悩みを抱えるご家庭が増えてきます。
特に国語は、算数のように「この公式を覚えれば解ける」という科目ではないため、苦手なお子さんの保護者からすると、何から手をつければいいのか分かりにくい科目です。
しかし、6年生だからといって、国語の成績を伸ばすことを諦める必要はありません。
大切なのは、「国語が苦手」とひとまとめにするのではなく、どこで点数を落としているのかを確認することです。
私は28年間、中学受験の指導をしてきましたが、国語が苦手なお子さんを見ていると、「国語ができない」のではなく、「自分がどこで間違えているのか分かっていない」というケースが少なくありません。
そこでこの記事では、6年生で国語が苦手なお子さんが、今から何を優先して勉強すればよいのか、親御さんがどのようにサポートすればよいのかについてお話しします。
6年生で国語が苦手でも、今から伸ばせる
「6年生だから、もう国語は伸びないのでは?」
そう心配される方もいらっしゃいます。
確かに、6年生の秋以降になると、受験までの時間は限られてきます。
だからといって、国語の成績を伸ばせないわけではありません。
むしろ、この時期に大切なのは、限られた時間の中で、何を優先するかを決めることです。
例えば、国語のテストで80点を取るために、すべての問題を完璧に解けるようにする必要はありません。
今まで落としていた問題の中から、
「ここは取れるようになりそう」
という部分を見つけていくことが大切です。
国語が苦手なお子さんの場合、「国語を得意科目にしよう」と考えるよりも、
「まず今より10点、15点上げるには何をすればいいか」
と考えたほうが、取り組むべきことが見えやすくなります。
→【中学受験】9月の模試で成績が悪かったら?親が焦る前に確認したい5つのポイント
まず「国語が苦手」の原因を確認する

「国語が苦手」という言葉だけでは、具体的な対策を立てることができません。
まずは、最近の模試や塾のテストを見ながら、どこで点数を落としているのか確認してみましょう。
漢字・語彙で点数を落としている
漢字や語句の問題で失点が多い場合は、読解問題ばかりを勉強する前に、基本的な知識を確認することが大切です。
漢字や語句は、覚えていれば取れる問題です。
こうした問題を落としているのであれば、まずは取れる点を確実に取ることを考えましょう。
文章を読むのに時間がかかる
「最後まで問題を解く時間がない」という場合は、単純に国語力が不足しているとは限りません。
文章を読むことに時間がかかっているのか。
問題文や選択肢を読むのに時間がかかっているのか。
考える時間が長すぎるのか。
時間切れになったテストを見て、どこに時間がかかっているのか確認してみてください。
選択問題で間違える
選択問題では、
「なんとなくこれだと思った」
という理由で答えているお子さんもいます。
しかし、中学受験の国語では、正解の選択肢には本文中に根拠があります。
間違えた問題について、
「なぜこの選択肢を選んだのか」
そして、
「正解の選択肢は本文のどこから分かるのか」
を確認することが大切です。
記述問題が書けない
記述問題になると、急に何を書けばいいのか分からなくなるお子さんもいます。
この場合も、「記述が苦手だから、とにかく記述問題をたくさん解こう」と考える前に、何が原因なのかを確認しましょう。
例えば、
- 本文から必要な部分を見つけられない
- 問題の条件を理解できていない
- 答えに入れるべき内容が分からない
- 書き方が分からない
など、原因によって対策は変わります。
→【中学受験】国語の過去問で記述が書けない!親ができる採点と直し方
本文は読めるのに問題が解けない
「本は普通に読めるのに、国語のテストでは点数が取れない」というケースもあります。
この場合は、読書量だけの問題ではないかもしれません。
中学受験の国語では、文章を読むだけでなく、設問に対して本文から必要な情報を探し、答えを作る力が必要です。
そのため、「もっと本を読みなさい」と言うだけでは、テストの点数につながらないことがあります。
6年生の国語は「全部やり直す」必要はない
国語の成績が悪いと、
「今までの勉強が全部足りなかったのでは?」
と考えて、1~2年前の教材まで引っ張り出して最初からやり直そうとする方がいます。
しかし、6年生では時間が限られています。
私は、全部をやり直すよりも、今の成績に影響している部分を絞って復習することをおすすめします。
例えば、漢字・語彙が弱いのであれば、まずそこを強化する。
選択問題で失点が多いのであれば、選択肢の根拠を確認する練習をする。
記述が苦手なら、記述問題の解答を分析する。
このように、「国語が苦手」という大きな問題を、小さな課題に分けて考えてみましょう。
そうすると、今やるべきことが見えてきます。
→【中学受験】塾のテキストと市販の問題集、どっちをやる?家庭学習で迷ったときの選び方!
国語が苦手な6年生が優先したい勉強

では、具体的に何を勉強すればよいのでしょうか。
漢字・語彙を確実にする
まず確認したいのが、漢字や語句です。
国語が苦手なお子さんの場合、読解問題にばかり目が行ってしまい、漢字や語句の勉強がおろそかになっていることがあります。
しかし、漢字や語句は、覚えることで得点につながりやすい分野です。
毎日の短い時間でも構いません。
「知識問題で落としている点を減らす」
という意識を持ちましょう。
読解問題は「解いて終わり」にしない
読解問題を解いた後、
「正解だった」
「間違えた」
だけで終わっていませんか?
大切なのは、間違えた問題について、
「なぜ間違えたのか」
を確認することです。
例えば、
「本文のこの部分を見落としていた」
「選択肢のこの言葉に惑わされた」
「問題が聞いていることと違う答えを書いていた」
など、原因を見つけます。
この作業を繰り返すことで、自分の弱点が少しずつ見えてきます。
選択問題は「根拠」を探す
選択問題を間違えたときは、正解を覚えるだけではなく、
「本文のどこを見れば正解できたのか」
を確認してください。
国語が苦手なお子さんの場合、選択肢の文章だけを見て「こっちのほうがそれらしい」と判断してしまうことがあります。
しかし、入試問題では、本文を根拠にして答えることが基本です。
「正解の理由」を本文から探す習慣をつけていきましょう。
記述問題は「何を書けばいいのか」を整理する
記述問題では、いきなりきれいな文章を書こうとしなくても構いません。
まず、
「問題は何を聞いているのか」
「本文のどこに答えがありそうか」
「答えに入れるべき内容は何か」
を整理します。
最初から完璧な記述答案を目指すよりも、必要な内容を入れられるようにすることを優先しましょう。
親がやってはいけない国語の勉強のさせ方

国語の成績が悪いと、親御さんも心配になります。
しかし、焦ってしまうことで、かえって勉強がうまくいかなくなることがあります。
「もっと本を読みなさい」と言うだけ
読書はもちろん大切です。
ただし、6年生になって国語の成績が伸び悩んでいる場合、「本を読めば国語のテストができるようになる」と単純に考えるのは危険です。
今の課題が選択問題なのか、記述なのか、語彙なのか。
まずそこを確認しましょう。
実際、私が指導した生徒の中には、読書はほぼしない生徒がたくさんいました。じゃ、その生徒たちがみんな国語が不得意かというとそうではありません。逆に国語が得点源の生徒もたくさんいます。
授業するときは次のことを意識して指導しています。
・各段落に何が書いてあるのか
・接続詞に気を付ける(特に段落のはじめの接続詞)
・問いの文が本文ではどう言い換えられているか
など。
これらを生徒と一緒に考えて、正しい考え方や正解に導いていきます。
そうすることにより、徐々に文章内容をつかめるようになっていきます。
難しい問題を大量に解かせる
「国語が苦手だから、もっと難しい問題をやらせよう」
と考える必要はありません。
今の段階で基本的な問題を落としているのであれば、難しい問題を増やす前に、取るべき問題を確実に取れるようにすることが重要です。
間違えた問題の答えをすぐ教える
親御さんが解説を読んで、
「答えはこれでしょ」
と教えてしまうこともあります。
しかし、それではお子さん自身が「なぜ間違えたのか」を考える機会がなくなってしまいます。
「どこを見た?」
「この選択肢を選んだ理由は?」
など、まず本人に考えさせてみましょう。
「国語はセンス」と決めつける
これは避けたいところです。
国語の成績が伸び悩んでいると、
「うちの子は国語のセンスがない」
と思ってしまうことがあります。
しかし、実際には、
- 漢字・語彙が不足している
- 本文の読み方に問題がある
- 設問の読み方が分かっていない
- 選択肢の判断方法が分からない
- 記述の答え方が分からない
など、具体的な原因がある場合も多いです。
原因が分かれば、対策できることがあります。
6年生の国語は「何点取れるか」を考える
6年生になると、すべての分野を完璧にする時間はありません。
だからこそ、**「何を捨てるか」ではなく、「どこで点数を取るか」**を考えてみてください。
例えば、志望校の過去問を見て、
「この問題は今の段階では難しい」
という問題があったとします。
そこに長時間かけるよりも、
「漢字で落としている点を減らす」
「選択問題をあと1問取れるようにする」
「記述で必要な要素を1つ多く入れられるようにする」
という目標を立てたほうが、合格に近づく場合があります。
中学受験では、100点を取る必要はありません。
志望校に合格するために必要な点数を取ることが大切です。
そのため、6年生の国語では、
「国語を得意科目にする」より、「今より取れる点を増やす」
という視点を持ってみてください。
28年間の中学受験指導で感じる、国語が苦手な子の伸ばし方
28年間、中学受験の指導をしてきて感じるのは、国語が苦手なお子さんほど、「何が分からないのか」を一緒に整理してあげることが大切だということです。
「国語が苦手」
と言われても、それだけでは何を勉強すればいいのか分かりません。
ところが、
「漢字は取れている」
「説明文の選択問題でよく間違える」
「物語文の記述で点数が取れていない」
というところまで分かると、やるべきことが変わってきます。
そして、もう一つ大切なのが、できるようになったことを本人に伝えることです。
以前は2問しか取れなかった問題で3問取れた。
記述で以前より内容を書けるようになった。
時間切れだったのが、最後まで解けるようになった。
こうした小さな変化を見つけてあげてください。
6年生になると、周りの成績や模試の判定を見て、本人も不安になっています。
だからこそ親御さんには、
「まだこれしかできない」
ではなく、
「ここは前よりできるようになったね」
という見方もしていただきたいと思います。
国語は、短期間ですべてが劇的に変わる科目ではありません。
だからこそ、今できることを一つずつ積み重ねていくことが大切です。
まとめ|6年生の国語は「苦手」ではなく「どこを伸ばすか」を考えよう
6年生になって国語が苦手だと、
「もう間に合わないのでは?」
と焦ってしまうかもしれません。
しかし、まず考えてほしいのは、「国語が苦手」という大きな言葉の中に、どんな原因が隠れているのかということです。
漢字・語彙なのか。
読解なのか。
選択問題なのか。
記述なのか。
時間配分なのか。
原因が分かれば、今から優先して取り組むことが見えてきます。
そして、6年生ではすべてを完璧にしようとする必要はありません。
「今から取れる点を増やすには何をすればいいか」
という視点を持ってください。
国語を一気に得意科目にすることを目指すのではなく、まずは今より5点、10点、15点と、取れる点数を増やしていきましょう。
その積み重ねが、入試本番の合格につながっていきます。
6年生の今だからこそ、焦って勉強量を増やすのではなく、お子さんの現在の課題を一緒に整理することから始めてみてください。

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