【中学受験】過去問はいつから始める?6年生の秋に始める正しいタイミングと進め方

中学受験

「そろそろ過去問を始めたほうがいいのでは?」

6年生の夏休みが終わり、9月、10月と秋が近づいてくると、こんな不安を感じる親御さんが増えてきます。

塾から「そろそろ過去問を」と言われることもありますし、周りの受験生が過去問を始めたと聞けば、「うちの子は遅れているのでは?」と焦ってしまいますよね。

しかし、過去問は早く始めればいいというものではありません。

28年間、中学受験の指導をしてきた経験から言うと、大切なのは「何月から始めるか」だけではなく、その子が過去問に取り組める状態になっているかです。

この記事では、6年生の秋に過去問を始めるときの正しいタイミングと進め方について、親御さんが確認しておきたいポイントを解説します。

中学受験の過去問はいつから始める?

結論から言うと、6年生の過去問は9月~10月頃から本格的に取り組み始めるケースが多いです。

ただし、全員が同じ時期に始める必要はありません。

たとえば、基礎的な学習がまだ十分に終わっていない状態で過去問を解いても、点数が取れないのは当然です。

その結果、

「この学校には全然届かない」

「こんな点数では合格できない」

と、親子ともに必要以上に落ち込んでしまうことがあります。

過去問は、現在の実力を確認するだけではありません。

志望校がどのような問題を出すのかを知り、残りの期間で何を勉強すればいいのかを見つけるための教材でもあります。

そのため、「9月だから始める」「10月になったから急いで始める」と考えるのではなく、子どもの学習状況を見ながらスタートすることが大切です。

過去問を始める前に確認したい3つのこと

1.基本的な単元学習がある程度終わっているか

まず確認したいのが、これまで学習してきた基本単元がある程度身についているかどうかです。

もちろん、6年生の秋になってすべての単元が完璧になっている必要はありません。

しかし、算数なら基本的な計算や代表的な解法、国語なら読解の基本、理科・社会なら重要事項など、土台となる部分がまだ大きく抜けている状態では、過去問を解いても「できない問題」が大量に出てきます。

その場合は、過去問を何年分も解くことよりも、まず基礎学習に戻ったほうが効果的です。

過去問は、現在の学力と志望校との距離を確認するためのもの。

点数を上げるための勉強そのものは、過去問を解いた後に始まります。

2.志望校の出題傾向を知っているか

過去問を始める前に、志望校がどのような問題を出す学校なのかを少し調べておくことも大切です。

たとえば、

  • 算数は図形が多い

  • 国語は記述問題が多い

  • 理科は計算問題が特徴的

  • 社会は記述や資料問題が多い

など、学校によって出題傾向には違いがあります。

同じ偏差値帯の学校でも、入試問題の特徴はかなり異なります。

だからこそ、過去問を解くことで、

「この学校では、こういう力が求められているんだ」

ということを知ることができます。

3.過去問を解いた後に「直し」ができる状態か

実は、私はここをかなり重要視しています。

過去問は、解くことよりも解いた後の分析と直しのほうが大切だからです。

たとえば、100点満点のテストで50点だったとします。

「50点しか取れなかった」

だけで終わってしまえば、その50点は次の学習につながりません。

しかし、

「計算ミスが2問あった」

「知識を忘れていた問題が3問あった」

「解き方は分かっていたけれど時間が足りなかった」

「今の自分にはまだ難しい問題だった」

と分類していけば、次に何をすればいいのかが見えてきます。

過去問は、点数をつけるためだけのテストではありません。

「次に何を勉強するのか」を決めるための材料として使うことが大切です。

9月・10月から過去問を始めるなら、どう進める?

では、実際に過去問を始める場合は、どのように進めればいいのでしょうか。

私は、次のような流れをおすすめします。

STEP1:まず1年分を解いてみる

最初から何年分も解く必要はありません。

まずは志望校の過去問を1年分解いてみましょう。

このとき、点数だけを見て、

「合格最低点に届かなかった」

と落ち込まないことが大切です。

初めて解くのですから、学校独特の問題形式に慣れていないのは当然です。

STEP2:どこで失点したのかを確認する

次に、間違えた問題を確認します。

ここでは、

「なぜ間違えたのか」

を考えてください。

たとえば、

  • 知識不足

  • 解法が分からなかった

  • 計算ミス

  • 問題文の読み間違い

  • 時間不足

  • 難易度が高すぎた

などです。

同じ「×」でも、その原因はまったく違います。

STEP3:取れるはずだった問題を見つける

特に注目してほしいのが、

「本当なら取れた問題」

です。

たとえば、

「計算ミスで4点落としていた」

「知っている漢字を書けなかった」

「問題文を読み違えていた」

という問題です。

これらは、今後の学習によって比較的改善しやすい部分です。

過去問の点数を見るときは、単純に「何点だったか」だけを見るのではなく、

「あと何点取れた可能性があったのか」

を見ることも大切です。

STEP4:弱点を通常の学習に戻して補強する

過去問で見つかった弱点を、そのまま次の過去問で練習し続ける必要はありません。

たとえば、

「速さの問題が全然できなかった」

のであれば、通常の問題集や塾のテキストに戻って、速さの問題を復習します。

「過去問を解く→弱点を見つける→通常学習に戻る」

という流れを作ってください。

STEP5:次の過去問につなげる

弱点を補強したら、次の過去問に進みます。

そして、前回できなかった部分が改善しているかを確認します。

この繰り返しによって、過去問が単なる「入試問題」から、合格に必要な学習内容を教えてくれる教材に変わっていきます。

第一志望と併願校では過去問の進め方を変える

過去問は、すべての学校を同じように扱う必要はありません。

第一志望校の場合

第一志望校では、単純な点数だけではなく、

「この学校の問題に慣れる」

ことを意識します。

問題の傾向、時間配分、頻出分野、記述量などを少しずつ把握していきましょう。

最初から合格最低点を安定して超える必要はありません。

むしろ、過去問を通して、

「この学校に合格するために、あと何が必要なのか」

を明確にすることが重要です。

併願校の場合

併願校では、第一志望校とは少し目的が変わります。

もちろん問題傾向を知ることも大切ですが、

「合格するために何を取ればいいのか」

を確認することが重要になります。

すべての問題を完璧に解けるようにする必要はありません。

合格に必要な問題を確実に取れるようにする、という考え方も大切です。

「まだ過去問を始めていない」けど大丈夫?

秋になると、

「周りの子はもう過去問を始めている」

という話を聞くことがあります。

すると、

「うちの子だけ遅れているのでは?」

と心配になりますよね。

しかし、過去問を始めるタイミングは、子どもの学習状況や志望校によって違います。

大切なのは、

「周りが始めたから、うちも急いで始める」

ではありません。

その子にとって、今過去問を解くことが学習効果につながる状態なのかを考えることです。

もし基礎的な部分に大きな穴があるなら、過去問を何年分も解くより、その穴を埋めるほうが優先される場合があります。

逆に、ある程度の学習が進んでいるのであれば、早めに過去問を経験して、志望校の特徴を知っておくことが有効です。

過去問の開始時期を、他の子と競争する必要はありません。

過去問で点数が取れなくても焦らなくていい理由

初めて過去問を解いたとき、思った以上に点数が低くてショックを受けることがあります。

「この点数では絶対に無理なのでは?」

と考えてしまう親御さんも少なくありません。

しかし、過去問を初めて解いた段階の点数だけで、入試本番の合否を決めることはできません。

大切なのは、

「なぜ点数が取れなかったのか」

です。

もし「過去問を解いたけれど、合格最低点に届かなかった」という場合は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 【中学受験】過去問で点数が届かない時に親が知るべき「逆転のコツ」

点数そのものよりも、失点の原因を分析することが大切です。

過去問は「解いて終わり」にしないことが一番大切

過去問を解いた後に、

「70点だった!」

「50点しか取れなかった……」

と点数だけを確認して終わってしまうのは、非常にもったいないことです。

大切なのは、

なぜ間違えたのか?

そして、

次はどうすれば正解できるのか?

を考えることです。

特に算数では、単に解答を書き写すだけではなく、

「どこまでは自分でできていたのか」

「どの段階で考え方が止まったのか」

を確認してください。

過去問の具体的な直し方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

→ 【中学受験】過去問の直し方はこれで決まり!算数が伸びるノート作成術!

また、国語の記述問題で点数が取れない場合は、こちらの記事も参考になります。

→ 【中学受験】国語の過去問で記述が書けない!親ができる採点と直し方

まとめ|過去問は「始める時期」より「始め方」が大切

中学受験の過去問は、6年生の9月~10月頃から本格的に取り組み始めるケースが多くなります。

しかし、

「9月になったから必ず始める」

というものではありません。

大切なのは、

  • 基本的な学習がある程度できているか

  • 志望校の出題傾向を知ること

  • 過去問を解いた後に分析できる状態か

  • 間違いを通常の学習につなげられるか

を確認することです。

そして、過去問は、

解く → 分析する → 弱点を補強する → 次の過去問へ進む

というサイクルで活用してください。

28年間、中学受験を指導してきて感じるのは、過去問の点数に一喜一憂するよりも、過去問から「これから何を勉強すれば合格に近づけるのか」を読み取れる親子のほうが、秋から伸びやすいということです。

「周りが始めたから」と焦るのではなく、今のお子さんに必要なタイミングで過去問を始めましょう。

過去問は、合否を予言するためのものではありません。

合格するために、これから何をすべきかを教えてくれる教材です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました