6年生になると、こうした不安を感じる親御さんも多いと思います。
特に算数は、中学受験の中でも苦手意識を持つ子どもが多い教科です。
学年が上がるにつれて問題も難しくなり、以前に習った内容が十分に身についていないと、新しい単元でもつまずきやすくなります。
ただ、6年生で算数が苦手だからといって、もう間に合わないということではありません。
大切なのは、今からすべての単元を完璧にしようとすることではありません。
「今の子どもにとって、何を優先して勉強するべきなのか」を見極めることです。
私はこれまで28年間、中学受験の指導に携わってきました。
その経験から見ても、6年生で算数が苦手な子どもに必要なのは、難しい問題をたくさん解くことではなく、これから取れる点数を一つずつ増やしていくことです。
この記事では、6年生で算数が苦手な場合に、親御さんが確認したいポイントと、これからの勉強で優先したいことについて解説します。
6年生で算数が苦手でも、今からできることはある
まずお伝えしたいのは、
「6年生で算数が苦手だから、もう手遅れ」ということはありません。
ということです。
もちろん、受験までの時間は限られています。
4年生や5年生のときと同じように、時間をかけてすべての単元を勉強することは難しくなります。
だからこそ、6年生では**勉強の「量」だけでなく「優先順位」**が重要になります。
例えば、算数のテストで100点を目指す必要があるとは限りません。
志望校の入試問題を見たときに、
「この問題は取れる」
「この問題は今の段階では難しい」
と判断し、まずは合格するために必要な問題を確実に取れるようにするという考え方があります。
算数が苦手な子どもほど、「全部できるようにしなければ」と考えると苦しくなります。
まずは、
「これなら取れる」という問題を増やしていくこと
から始めましょう。
まず「算数が苦手」の原因を確認する

「算数が苦手」と一言で言っても、原因は子どもによって違います。
ここを確認せずに問題集を買ってきても、思うように成績が伸びないことがあります。
例えば、次のようなケースがあります。
計算ミスが多い
解き方は分かっているのに、計算の途中で間違えてしまうケースです。
この場合は、難しい文章題に取り組む前に、計算の正確さを高める必要があります。
基本問題が解けない
公式や解き方を十分に理解していないため、基本的な問題でも手が止まってしまうケースです。
この場合は、応用問題よりも基本問題の復習を優先します。
文章題で式が立てられない
問題文を読んでも、
「何を求めればいいのか」
「どんな式を作ればいいのか」
が分からないケースです。
単純な計算力だけではなく、問題文の内容を整理する力も必要になります。
図形が苦手
面積や体積、角度、相似など、図形問題になると急に解けなくなる子どももいます。
この場合も、「図形が全部苦手」と考えるのではなく、どの分野でつまずいているのかを確認することが大切です。
時間が足りない
問題を解くことはできるのに、テストになると最後まで終わらないケースです。
この場合は、単純に「算数の知識が足りない」とは限りません。
問題を見たときに、
「これは解けそう」「これは時間がかかりそう」
と判断する力も必要になります。
このように、「算数が苦手」という状態を細かく分けて考えるだけでも、これから何を勉強すればいいのかが見えてきます。
6年生の算数は「全部やり直す」必要はない
もちろん、以前の内容に大きな抜けがある場合には、戻って復習する必要があります。
しかし、すべてを最初からやり直す必要があるとは限りません。
例えば、現在の学習で「割合」ができていないのであれば、割合に関係する基本的な内容まで戻って確認します。
一方で、すでにできている単元まで全部やり直してしまうと、貴重な時間を使ってしまいます。
6年生では、
「どこまで戻るか」
を考えることが重要です。
模試や塾のテスト、普段の問題演習などを見ながら、
- どの問題を間違えているのか
- 何が原因で間違えたのか
- 基本的な内容は理解できているのか
- 以前習った単元に抜けがあるのか
を確認してみましょう。
「算数が苦手だから、算数を全部勉強する」
ではなく、
「今の失点につながっている部分を見つけて、そこを勉強する」
という考え方が大切です。
算数が苦手な6年生が優先したい勉強
では、6年生で算数が苦手な場合、具体的に何を優先すればいいのでしょうか。
私は、まず次のような勉強を大切にしてほしいと考えています。
計算を正確にする
計算問題は、算数の土台です。
計算で毎回のように失点しているのであれば、まずここを改善しましょう。
「計算くらいできる」と思って放置するのではなく、毎日少しずつでも正確に計算する習慣を作ることが大切です。
一行問題・基本問題を確実にする
算数が苦手な子どもほど、いきなり難しい問題に挑戦するより、基本的な問題を確実に解けるようにしたほうがいい場合があります。
例えば、
「この問題なら解ける」
という問題を増やしていくことです。
基本問題を繰り返していると、「見たことのある問題」に対する反応も速くなっていきます。
苦手単元の基本に戻る
割合、速さ、図形、場合の数など、特定の単元だけ苦手という場合は、その単元の基本まで戻ってみましょう。
ただし、ここでも大切なのは、難しい問題まで全部やろうとしないことです。
まずは基本的な問題を解けるようにする。
その上で、必要に応じて少しずつレベルを上げていきます。
間違えた問題を解き直す
新しい問題を次々に解くより、以前間違えた問題をもう一度解いてみることも大切です。
一度間違えた問題を、数日後にもう一度解いてみる。
それで解けるようになっていれば、少しずつ力がついています。
「何問やったか」だけを見るのではなく、
「前にできなかった問題が、今はできるようになったか」
を確認してください。
中学受験|過去問の直し方はこれで決まり!算数が伸びるノート作成術!
親がやってはいけない算数の勉強のさせ方

6年生で算数が苦手だと、親御さんも焦ってしまいます。
その結果、知らないうちに子どもへ負担をかけてしまうことがあります。
特に気をつけたいのが、次のような勉強のさせ方です。
難しい問題ばかりやらせる
「成績を上げるには、難しい問題をやらなければ」と考えてしまうことがあります。
しかし、基本問題が十分にできていない状態で難問ばかり解いても、なかなか力につながらないことがあります。
まずは、今の子どもに必要なレベルの問題を見極めることが大切です。
「どうしてこんなのも分からないの?」と言う
これは算数に限った話ではありません。
できない問題を見ると、親御さんも焦ってしまいます。
しかし、
「前にもやったでしょう」
「どうして分からないの?」
と言われ続けると、子どもは算数そのものに苦手意識を持ってしまうことがあります。
できなかったことを責めるのではなく、
「どこまでは分かっているのかな?」
と一緒に確認してみてください。
できない問題を何時間も続けさせる
一つの問題に長時間取り組むことが、必ずしも効果的とは限りません。
考えることは大切ですが、どうしても分からない場合には、解説を確認したり、先生に質問したりすることも必要です。
問題集を次々と変える
「この問題集では成績が上がらない」と思って、新しい問題集を買う。
そして、少しやってまた別の問題集を買う。
これを繰り返すと、どの教材も中途半端になってしまいます。
現在使っている塾のテキストなどに、まだ十分取り組めていないのであれば、まずはそこを復習する方法もあります。
6年生の算数は「何点取れるか」を考える
ここは、6年生の算数を考える上で非常に大切なポイントです。
親御さんは、
「算数が苦手だから、算数を得意科目にしなければ」
と考えるかもしれません。
もちろん、算数の力を伸ばすことは大切です。
しかし、中学受験の目的は、算数で満点を取ることではありません。
志望校に合格することです。
そのため、
「算数で何点取れば合格できるのか」
という視点も持っておきましょう。
例えば、算数で70点を取れば十分に合格圏に入れる学校なら、100点を目指して難問ばかり勉強する必要はないかもしれません。
それよりも、
「今まで30点しか取れなかったところを、40点、50点と上げていく」
という考え方のほうが現実的な場合があります。
もちろん、実際に必要な点数は学校や年度によって異なります。
だからこそ、志望校の過去問などを確認しながら、
「この学校に合格するために、算数でどこまで取れるようにする必要があるのか」
を考えていきましょう。
【中学受験】過去問はいつから始める?6年生の秋に始める正しいタイミングと進め方
28年間の中学受験指導で感じる、算数が苦手な子の伸ばし方

私はこれまで28年間、中学受験の指導をしてきました。
その中で感じるのは、算数が苦手な子どもほど、
「できない問題を何とかできるようにすること」ばかりに目が向いてしまう
ことです。
もちろん、できない問題をできるようにすることは大切です。
しかし、受験までの時間が限られている6年生では、それと同じくらい、
「今できる問題を確実に取れるようにする」
ことが重要です。
例えば、テストで毎回落としている基本問題があるなら、まずそこを取れるようにする。
計算ミスが多いなら、計算の正確性を上げる。
特定の単元が苦手なら、その単元の基本まで戻る。
こうした積み重ねによって、少しずつ「取れる問題」が増えていきます。
また、算数が苦手な子どもに対して、親御さんが「もっと頑張らせなければ」と焦りすぎないことも大切です。
6年生になると、子ども自身も、
「算数ができない」
と感じていることがあります。
そこに親御さんから毎日のように「もっと算数をやりなさい」と言われると、ますます算数が嫌いになってしまうことがあります。
だからこそ、
「できなかった問題」だけではなく、「できるようになった問題」にも目を向けてほしい
と思います。
「この問題、前はできなかったけど今日はできたね」
と声をかけるだけでも、子どもの気持ちは変わってきます。
まとめ|6年生の算数は「できない問題」より「これから取れる点」に目を向けよう
6年生になって算数が苦手だと、
「もう間に合わないのでは?」
と焦ってしまうかもしれません。
しかし、今からできることはあります。
大切なのは、算数のすべてを完璧にしようとすることではありません。
まず、
- 「算数が苦手」の原因を確認する
- 今の失点につながっている部分を見つける
- 基本問題を確実にする
- 苦手単元は必要なところまで戻る
- 間違えた問題を解き直す
- 難問ばかりをやらせない
- 志望校合格に必要な点数を考える
ということを意識してみてください。
6年生の算数では、
「できない問題を全部できるようにする」
よりも、
「これから取れる点を一つずつ増やす」
という考え方が大切です。
そして何より、子どもが「算数はどうせできない」と思ってしまわないように、できるようになったことにも目を向けてあげてください。
28年間、中学受験を指導してきた経験から見ても、6年生の時期は、最後まで伸びる子がいます。
今の成績だけを見て諦めるのではなく、
「ここから何をすれば、あと5点、10点を伸ばせるのか」
を考えていきましょう。
その積み重ねが、入試本番での1点につながっていきます。

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