中学受験を考えている保護者の方から、受験が近づくにつれてよく出てくる疑問の一つが、「受験校は何校くらい受ければよいのでしょうか?」というものです。
第一志望校だけでよいのか、複数の学校を受験したほうがよいのか。併願校を増やすと子どもの負担が大きくなりそうですし、反対に受験校が少ないと、万が一のときに不安が残ります。
受験校の数を決めることは、簡単なようで難しい問題ですね。
私は28年間、中学受験の指導に携わってきました。その経験から感じるのは、受験校の数に全員共通の正解はないということです。
大切なのは、何校受けるかという数字だけではなく、子どもの学力や体力、入試日程、そして家庭の希望に合った受験計画を立てることです。
この記事では、中学受験で受験校の数を決めるときに、親が確認しておきたいポイントを解説します。
最後までお付き合いくださいませ!
中学受験は何校受ける?「何校が正解」とは限らない
中学受験で受ける学校の数は、家庭によって異なります。
第一志望校の入試日程や地域の入試制度、子どもの学力、受験できる日数などによって、必要な受験校数は変わります。
そのため、「中学受験では必ず何校受けるべき」と一律に決めることはできません。
例えば、第一志望校の入試日程に余裕があり、進学したい学校を複数見つけている家庭と、入試日程が集中している家庭では、受験計画が異なります。
また、複数の学校を受けること自体が目的になってしまうと、過去問対策や体調管理が十分にできなくなる可能性もあります。
反対に、受験校を絞りすぎると、不合格だった場合に進学先の選択肢が少なくなることも考えられます。
まずは周囲の家庭が何校受けるかに振り回されず、わが子に合った受験計画を考えることから始めてみてください。
中学受験で受験校の数を決めるときに考えたい5つのポイント

受験校の数を決めるときには、次の5つのポイントを確認してみてください。
第一志望校の入試日
最初に確認したいのは、第一志望校の入試日です。
地域や学校によって入試日程は異なります。第一志望校の入試日を中心に、前後の日程でどの学校を受験できるのかを整理しましょう。
第一志望校の入試日が早い場合と、複数回の入試機会がある場合とでは、併願校の組み方も変わりますね。
また、午前入試と午後入試を組み合わせる場合は、移動時間や昼食、試験終了後の疲労も考慮しなければなりません。
受験できる日程があるからといって、すべての日に試験を入れる必要はありません。
まずは第一志望校の入試日を軸に、無理のない日程を組むことが大切です。
子どもの現在の学力と合格可能性
次に確認したいのは、子どもの現在の学力と、それぞれの学校の合格可能性です。
模試の偏差値や合格判定は、受験校を考える際の参考になります。ただし、模試の結果だけで合否が決まるわけではありません。
学校によって出題傾向は異なりますし、得意科目や苦手科目との相性もあります。
例えば、模試の偏差値が近い学校でも、過去問を解いてみると点数に大きな差が出ることがあります。
そのため、受験校を考えるときには、模試の結果だけでなく、過去問の得点状況や出題傾向も確認しましょう。
第一志望校に挑戦することは大切ですが、合格可能性を考慮した学校も組み合わせておくと、受験計画に幅を持たせられます。
受験日程の重なり
受験校を増やすときに、必ず確認したいのが入試日程です。
受験したい学校が複数あっても、同じ日に入試が行われていれば、すべてを受けることはできません。
また、連日の受験が続く場合には、試験の疲れが翌日の入試に影響する可能性もあります。
午前と午後に別々の学校を受験する場合も、試験時間だけで判断せず、移動時間や昼食を取る時間、会場に到着するまでの余裕を確認してください。
入試日程をカレンダーに書き出してみると、受験できる学校と、日程的に無理がある学校を整理しやすくなります。
受験校の数を決める前に、まず日程を具体的に確認しておきましょう。
子どもの体力・精神的な負担
受験校の数を考える際には、子どもの体力や精神的な負担も重要です。
受験日が続くと、移動や試験によって疲労がたまります。緊張が続くことで、普段なら解ける問題に集中できなくなることもあります。
特に、午前と午後の入試を組み合わせたり、連日受験したりする場合は、子どもがその日程を無理なくこなせるかを考える必要があります。
また、受験校が増えるほど、それぞれの学校の過去問対策に使える時間も限られてきます。
受験校を増やすことが安心につながるとは限りません。受験する学校を増やした結果、どの学校の対策も中途半端になってしまっては、本来の力を発揮しにくくなります。
子どもの性格や体力、緊張しやすさなども考慮しながら、無理のない受験計画を立てましょう。
家庭として「どこに合格したら進学するか」
最後に、必ず家族で話し合っておきたいのが、合格した場合に進学したい学校です。
受験できる学校がたくさんあっても、実際に進学するつもりがない学校ばかりでは、受験する意味を十分に考えたとはいえません。
学校の教育方針や校風、通学時間、学費、子ども本人の希望などを確認しておきましょう。
偏差値や合格可能性だけで決めるのではなく、合格した場合に通いたいと思える学校かどうかも大切です。
親は安心できる学校を確保したいと考える一方で、子どもは別の学校に魅力を感じていることもあります。
受験直前になって意見が食い違わないように、早い段階から親子で話し合っておくことをおすすめします。
→【中学受験】併願校はいつ決める?6年生秋から親が考えておきたいポイント!
第一志望・実力相応校・安全校をどう組み合わせる?

受験校を考えるときには、学校の数だけでなく、それぞれの学校にどのような役割を持たせるかを考えることも大切です。
一般的には、次のような視点で整理できます。
第一志望校
第一志望校は、子どもが特に進学したいと考えている学校です。
偏差値や模試の判定だけで諦めるのではなく、入試までに何を優先して勉強するのかを考えながら、対策を進めましょう。
ただし、第一志望校だけに受験計画を絞る場合は、不合格だったときの進学先についても家族で話し合っておく必要があります。
実力相応校
実力相応校は、現在の学力や過去問の得点状況などを踏まえて、合格を目指す学校です。
模試の偏差値が近い学校であっても、問題との相性や入試方式によって状況は異なります。
複数の学校を検討する場合は、通学時間や校風なども比較し、子どもが実際に通いたいと思える学校を選びましょう。
安全校
安全校は、これまでの成績や過去問の状況などから、比較的合格の可能性が高いと考えられる学校です。
ただし、「安全校だから必ず合格する」という保証はありません。模試の判定が良くても、当日の体調や問題との相性などによって結果が変わることがあります。
また、合格可能性が高いことだけを理由に、進学するつもりのない学校を受験校に加えるのも慎重に考えたいところです。
大切なのは、第一志望校への挑戦を大切にしながら、万が一の場合にも進学先を選べるようにしておくことです。
なお、併願校の具体的な組み方については、別の記事で詳しく解説しています。
→【中学受験】全落ちを防ぐ!秋から考える失敗しない併願校の組み方
受験校を増やしすぎるときに注意したいこと
受験校を増やすことで選択肢は広がりますが、増やしすぎると次のような問題が生じる可能性があります。
過去問対策が分散する
学校ごとに出題傾向は異なります。受験校を増やすほど、それぞれの学校の過去問を解き、間違えた問題を復習する時間が必要になります。
受験校を増やした結果、第一志望校の対策時間が減ってしまうことがないように注意しましょう。
入試日程が過密になる
連日の受験や午前・午後の連続受験は、子どもにとって大きな負担になる場合があります。
受験校を決めるときは、試験日だけでなく、移動や休憩、翌日の試験に向けた準備まで考えておきましょう。
子どもの疲労や不安が大きくなる
入試が続くと、体力だけでなく精神的にも疲れがたまることがあります。
子どもの様子を見ながら、必要に応じて受験日程に余裕を持たせることも検討してください。
受験校は、多ければ多いほど安心できるというものではありません。各学校の対策と、子どもが本番で力を発揮できる環境の両方を考えることが大切です。
逆に、受験校が少なすぎるときに確認したいこと

受験校を絞ることには、過去問対策に集中しやすいという利点があります。
一方で、受験校が少ない場合には、次の点を確認しておきましょう。
第一志望校だけに絞っていないか
第一志望校への思いが強いと、ほかの学校を考えたくないという気持ちになることもあります。
しかし、入試では思いどおりの結果にならない可能性もあります。
第一志望校に挑戦することと、ほかの進学先を考えておくことは、必ずしも矛盾しません。
万が一の場合にどのような選択肢があるのか、親子で確認しておきましょう。
不合格だった場合の選択肢があるか
受験校が少ない場合、予定していた学校に合格できなかったとき、進学先の選択肢が限られる可能性があります。
入試日程や出願締切、合格発表のタイミングなども含めて、受験計画全体を確認しておくことが大切です。
ただし、不安だからといって、進学するつもりのない学校をむやみに増やす必要はありません。
家庭として納得できる進学先を考え、そのうえで必要な受験校数を決めましょう。
28年間の指導経験から見た「受験校の数」の考え方
私は28年間、中学受験の指導に携わってきました。
その中で感じるのは、受験校の数だけで受験計画の良し悪しを判断することはできないということです。
同じ学力帯の子どもであっても、体力や性格、得意科目、緊張のしやすさは異なります。また、家庭が大切にしている学校選びの条件も違います。
そのため、ある家庭にとって無理のない受験日程が、別の家庭にも適しているとは限りません。
受験校を決める際には、次の3点を意識してみてください。
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子どもが本当に進学したいと思える学校を選ぶ
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第一志望校の対策時間と、併願校の対策時間のバランスを考える
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不合格だった場合も想定し、家庭として納得できる進学先を確保する
そして、受験校を決めた後も、模試の結果や過去問の得点、子どもの体調などを見ながら、必要に応じて計画を見直していきましょう。
受験校の数を決めることは、単に受験する学校を数えることではありません。子どもが入試本番で力を発揮し、家族が納得できる進学先にたどり着くための計画を立てることなのです。
まとめ|受験校は「何校」より「どの学校を、どう組み合わせるか」が大切
中学受験で何校受けるべきかについて、全員に共通する正解はありません。
受験校の数を決めるときには、次のポイントを確認しましょう。
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第一志望校の入試日
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子どもの現在の学力と合格可能性
-
受験日程の重なり
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子どもの体力や精神的な負担
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合格した場合に進学したい学校かどうか
受験校を増やせば安心というわけではありませんし、少なければ対策に集中できるとも限りません。
大切なのは、第一志望校への挑戦を支えながら、子どもに無理のない日程で、家庭として納得できる進学先を考えておくことです。
周囲の家庭の受験校数に振り回されず、わが子に合った受験計画を立てていきましょう。

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